「何千という表札の名前を見つめるうち、私は決して孤独ではないことに気づきました。過去に出会ったすべての人々との記憶が、今の私を温かく、力強く支えてくれています」

1. 私は孤独になったわけではなかった
自営業として独立し、毎日たった一人で街を歩くポスティングワーク。一見すると孤独な作業に思えますが、私の心は今、かつてないほど多くの人たちとの繋がりに満ちています。
そのきっかけは、毎日目にする「表札」です。 投函の瞬間にふと視界に入るさまざまな名前。知っている名前、知らない名前。それらを目にするたび、私の脳裏には過去に出会った人々の顔や、当時の風景、そして数々のドラマがフラッシュバックします。私は孤独になったのではなく、これまでお世話になったたくさんの方々との記憶と共に、今のこの道を歩いているのだと実感し、感謝の念に堪えません。
2. ひとつの名前が連れてくる、忘れられない情景
ある表札の名前を目にした瞬間、私は足をとめ、深い記憶の海へと引き込まれます。
-
汗と青春の記憶: 高校時代、初めてのアルバイトに誘ってくれた友人の名前。夏の甲子園で「かち割り」の売り子として、共に汗を流したあの熱気。「あいつ、今頃どうしているだろうか」と、ふと空を見上げます。
-
消えない後悔と謝罪: 小学校時代、心ない言葉をぶつけてしまった同級生の名前。何十年経った今でも、私が放ったその言葉は心の奥で自分を責め続けています。「あの時は、あんなことを言って本当にごめんなさい」。心の中で、深く頭を下げます。
-
涙が溢れる戦友の記憶: 3年前に亡くした、元部下の名前。激務だった時代、苦しい状況の中で共に戦い、私を全力で支えてくれたあの背中。名前を見るたびに胸が熱くなり、感謝と寂しさで涙がこぼれます。
3. 今だからこそ向き合える「名前」という不思議な力
かつての忙殺されていたサラリーマン時代には、過去の人々の名前をこれほど鮮明に思い出すことはありませんでした。
すべてを脱ぎ捨て、心身の健康を取り戻し、街の音や風を感じながら自分の足で歩く今だからこそ、記憶の扉が開くのかもしれません。私にとってポスティングとは、単なる仕事ではなく、自分の人生そのものと向き合う最高のライフワークです。
【まとめのメッセージ】
「名前は、その人と生きたかけがえのない時間の証拠」
忘れられない名前が胸にあるからこそ、今を力強く生きることができる。 「これがいい!」 これから出会う数え切れない「一期一会」に胸を躍らせながら、私は今日も感謝と共に街を歩き続けます。
2026年4月22日〈38〉

